【セリ速投票開催中】

◆New◆セリエAの人気回復を望みますか?

投票

【コラム】開幕3連勝から5戦連続ドロー 勝ち切れないユベントス、トゥドルの再構築はどこへ向かうのか

ユーベコラム

(画像:GettyImages)

エース・ユルディスの覚醒にかかる反攻のシナリオ

開幕から3連勝を飾り、今季のセリエAで最も勢いのあるスタートを切ったユベントス。ティアゴ・モッタの後を継いだイゴール・トゥドル新監督の下、アグレッシブなプレッシングと流動的な攻撃スタイルで“新生ユベントス”の姿を見せたが、その勢いは9月を過ぎてから急速に鈍化している。公式戦5試合連続ドロー――。
結果以上に、内容面でもチームの停滞が目立ち始めているのが現状だ。

 

攻撃の停滞――デイビッドとオペンダの誤算

シーズン序盤、攻撃の軸として期待されたジョナサン・デイビッドは、リール時代の決定力をまるで再現できていない。裏へ抜けるスピードやポジショニングのセンスは健在だが、セリエAの堅守との戦いに苦しんでいる印象だ。守備ブロックが厚く、スペースが限られる中でボールを引き出す動きに工夫が乏しく、ゴール前での存在感が希薄になっている。

オペンダも同様に、まだチーム戦術へのフィットに時間を要している。トゥドル監督が志向するハイプレスからのショートカウンターでは、FWが守備にも積極的に関与する必要があるが、オペンダの守備参加は十分とは言えない。加えて、彼の得意な縦への推進力を活かすためのスペースを確保できておらず、プレーエリアが制限されている。

この2人の不発は、ユベントスの攻撃全体に影を落としている。特に「得点パターンの少なさ」が浮き彫りとなり、サイドからのクロスに頼る時間帯が増えた。中盤に創造性をもたらすピボーテが不在であることも、攻撃の単調化を助長している。

 

トゥドルのジレンマ――守備的安定と攻撃的野心のはざまで

トゥドルが掲げるのは「高い位置でボールを奪い、即座に攻める」ダイナミックなスタイルだ。しかし現状、その高強度な戦い方を90分間続けられる選手層が整っていない。
かつてアタランタで成功を収めたガスペリーニの戦術に似たこのスタイルは、選手の運動量と組織的連動が前提となる。だが今のユベントスは、層の薄さゆえに主力の疲労が蓄積し、前線からのプレスが徐々に形骸化している。

また、守備陣にも微妙なズレが生じている。ブレーメルを中心とした最終ラインは堅固だが、プレスの連動が遅れることで中盤との距離が空き、カウンターを受ける場面が増えている。
結果、トゥドルは「リスクを取らない守備的采配」に傾く試合も増え、攻撃と守備のバランスが崩れ始めている。これが、勝ち切れない試合の増加につながっているのだ。

コメント

WP Twitter Auto Publish Powered By : XYZScripts.com