
(画像:GettyImages)
ケナン・ユルディス――停滞打破の鍵を握る存在
そんな中、チームを牽引しているのがケナン・ユルディスである。まだ20歳という若さながら、トゥドルの戦術において最も自由を与えられた存在であり、創造性の源泉となっている。
左サイドから中央に切れ込むドリブル、狭いエリアでも仕掛けを恐れない勇気、そしてゴールへの嗅覚。昨季終盤から続く成長曲線は止まらず、今季はすでにユベントスの“顔”としてチームの命運を握る存在にまでなった。
ただし、ここ数試合ではマークが厳しくなり、ユルディスの動きを封じるチームも増えている。個人技頼みの攻撃が続く現状では、彼にかかる負担は過大だ。
トゥドルに求められるのは、ユルディスを孤立させず、彼の能力を最大限に引き出す周囲の配置を整えること。特に、左サイドでの連携強化――例えばマッケニーやカンビアーゾとのポジションチェンジを活かした連動――が鍵を握るだろう。
層の薄さと向き合う戦い方――「個」の力から「組織」へ
今季のユベントスは、戦力面で決して恵まれていない。移籍市場での補強は的確だったが、量的な厚みには欠ける。中盤の選択肢は限られ、バックアップ陣の経験不足も顕著だ。
だからこそ、トゥドルが目指すべきは「一人に依存しない組織的強度」の再構築である。
例えば、3-4-2-1の布陣でユルディスとコンセイソンを“シャドー”として中央寄りに配置し、デイビッドを1トップに据える形。中盤を厚くしながら、ユルディスの自由度を確保できるこの形は、昨季のモッタ体制下で培われた守備バランスにも通じる。
守備から攻撃への切り替えを素早くし、ユルディスのスプリントを生かせるようになれば、今の停滞を打破する現実的な一歩となる。
巻き返しへのカギ――“信念”を貫けるか
トゥドルにとって最大の課題は、自身の哲学をどこまで貫けるかだ。短期間で結果を求められるユベントスという環境では、リスクを恐れた采配に傾く誘惑が常にある。
だが、今のチームに必要なのは「信念の継続」だ。若手を中心に据えた再構築の道は険しいが、ユルディスのような才能を軸にチームを進化させることこそ、ユベントスが再び頂点を目指すための最短ルートでもある。
開幕3連勝の勢いを取り戻すためには、攻撃の歯車を再び噛み合わせること、そして何よりもチーム全体で勝利への執念を取り戻すことが求められる。
デイビッドがセリエAの壁を突破し、オペンダがトゥドルの要求に応え、ユルディスが真の“王”として輝く――その瞬間、ユベントスは再び勝者の顔を取り戻すはずだ。
今は停滞の時期かもしれない。しかし、トゥドルとユルディスを中心とした新しいユベントスが、その先に見据えるものは明確だ。
「勝ち方」を取り戻したとき、再びスクデット争いの中心に立つことになるだろ。



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