キブとインザーギの比較は時期尚早 インテルを形づくった4年間を忘れてはならない

インテル

(画像:GettyImages)

インザーギが築いた4年間の価値

シモーネ・インザーギの歩んだ道は、イタリアサッカーがいかに記憶を塗り替えやすいかを示している。就任初年度、チームの成功はアントニオ・コンテの遺産とされたが、彼が去るとその功績はまるで煩わしいもののように消された。モナコでの惨敗と不器用な別れを経て、4年間の仕事が一瞬で忘れ去られたかのようだった。

だが、彼は明確な戦術的アイデンティティを持ち、チームをヨーロッパのトップ8常連へと押し上げた。攻撃的で魅力的なサッカーを取り戻し、イタリアでは稀な“見て分かる”スタイルを作り上げた指揮官である。スクデット1回、コッパ・イタリア2回、スーペルコッパ3回を獲得し、チャンピオンズリーグでは3年間で2度の決勝進出を果たした。にもかかわらず、彼の功績は今、過小評価されている。

 

“キャンセルカルチャー”がもたらす危うさ

この傾向は、いわば“キャンセルカルチャー”のサッカー版だ。過去を塗り替え、常に新しいものを求めてしまう。だがインザーギの残した戦術的遺産――ポゼッション志向と構築的プレッシング――は今もチームに息づいている。守備陣の位置取りや縦への速い展開は進化しつつも、その根底には彼の設計図がある。

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