
(画像:GettyImages)
アッレグリとモドリッチ──理性と情熱の融合
戦術家アッレグリは、理詰めでチームを操る。
だがモドリッチは、その理論を“感性”で体現できる選手だ。
アッレグリがベンチで描く設計図を、モドリッチはピッチ上で生きた形に変える。
今季のミランが見せる試合展開には、その融合が明確に表れている。
守備時はコンパクトにブロックを作り、奪った瞬間にはモドリッチが指揮を取る。
時にはテンポを落とし、時には一瞬でスピードを上げる。
相手の呼吸を読み切るような知的なサッカー。
それは、アッレグリが理想としてきた「試合を支配するリアリズム」の完成形に近い。
“継承”というミランの伝統
かつてミランの中盤には、セードルフ、ピルロ、カカといった芸術家たちが並び立っていた。
そして今、その系譜に新たに加わったのがモドリッチだ。
彼がもたらすのは単なる技術ではない。
チームの中に息づく勝利の文化と、プロフェッショナリズムだ。
若い選手たちは、その背中を見て成長していく。
リッチだけでなく、他の若手選手たちもまた、日々学んでいる。
「勝つためにどうプレーすべきか」を、言葉ではなく姿で教えている。
時を超える指揮者が奏でる“静かなる革命”
40歳という数字は、もはや限界の象徴ではない。
むしろそれは、モドリッチが積み重ねてきた年月の証であり、経験の結晶だ。
走り、考え、そして導く。
その姿は、サン・シーロの観客だけでなく、
世界中のフットボールファンに「年齢を超えた情熱」の意味を教えてくれる。
モドリッチはミランで、再び革命を起こしている。
それは派手なゴールやタイトルではなく、
クラブの根底に流れる勝利のDNAを呼び覚ます静かな波だ。
ヨーロッパの大舞台がなくとも、彼のプレーには誇りがある。
ミランの赤と黒に新たな息吹を吹き込み、未来を照らす灯火となる。
そして今日もまた、サン・シーロの夜にその小さな巨人が立つ。
静かに、しかし確かに──時を超える指揮者として。



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