一方、最も“安価”だったのはラツィオ戦で、控え総額は7700万ユーロ。それでもテラッチャーノ、ピッタレッラ、リッチ、フュルクルク、ヌクンク、アテカメ、オドグ、バルテサーギらが名を連ねていた。
問題は、その豪華な戦力が期待通りの成果を残していない点にある。
シーズンを通じて、ミランのセカンドユニットの質について大きく語られることは少なかった。オドグの起用法など不可解な采配もあり、ヌクンクやヤシャリのような高額補強も、移籍金に見合うインパクトを示せていない。
ミラネッロには“金”とも言える戦力が揃っている。だが、それがそのままピッチ上の結果に結びついていない。戦術面の問題、適応の難しさ、そして現実はゲームのように単純ではないことが、その背景にある。
他クラブと比較すると、ユベントスはサッスオーロ戦で2億1200万ユーロ相当のベンチを用意していた。その半分以上をヴラホヴィッチ(7000万ユーロ)とコープマイネルス(5100万ユーロ)の2人が占めている。
ナポリはカリアリ戦で8500万ユーロ、首位インテルはフィオレンティーナ戦で1億2700万ユーロのベンチ価値を誇った。
この数字が示すのは明快だ。高額なベンチ=優位性とは必ずしも言えない。
もっとも、アッレグリにとっては、これほど豪華な控え陣を扱えるのは、ユベントス黄金期以来とも言える。
2017年10月のミラン対ユベントスでは、ベルナルデスキ、ドウグラス・コスタ、ベンタンクール、マルキージオ、マテュイディら総額約1億6000万ユーロの控えを擁していた。
さらに2021年のウディネーゼ戦では、ウォーミングアップに向かわせるだけで1億500万ユーロ相当の選手――クリスティアーノ・ロナウドがいた。
アッレグリが“豪華な交代カード”を武器に勝利を重ねてきたことは偶然ではない。
そして最後の逆説がある。いまのミランにも、その土台は確かに存在する。
直近2試合で最も効果的だった交代策は、1000万ユーロで獲得した21歳のアテカメだった。トリノ戦でのアシスト、ラツィオ戦での運動量、さらには幻のゴールまで、その存在感は際立っている。
結局のところ、“黄金のベンチ”を持っていても、最後に最も輝くのは銀のように地道な存在なのかもしれない。



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