ベンチが大きく沸いたのは、後半開始直後の3点目だった。
キヴ監督によれば、これはハーフタイムに求めたことがそのまま形になったものだった。
「ハーフタイムに求めたのは、後半の入りを正しくすることだった。試合を終わらせるために、さらにゴールを奪いにいくことを要求した」
さらに、ここ数試合で見られた課題にも触れている。
「ピッチで何が起きているかを見れば、このチームの成熟のサインが分かる。最近の試合では、リードを守ろうとしすぎて不安定になる場面があった。本来そうすべきではなかった」
「今夜は後半に正しいスピリットで入り、試合を支配し、勝負を決めにいった」
ローマのジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督は、チャルハノールの強烈なミドル弾が流れを変えるまで、前半はローマが良い内容だったと振り返った。
これに対し、キヴ監督はローマ攻略の難しさを認めつつ、後半の修正が勝因だったと説明した。
「ローマに対して高い位置からプレスをかけるのは簡単ではない。彼らは非常によく動き、中盤を空けてウイングバックからサイド攻撃を仕掛けてくるからだ」
「マレンにボールが入ることを少し警戒していた。そのためチャルハノールはやや低い位置に留まり、テンポを握っていたピジッリへの対応に苦しんでいた」
その一方で、後半はより勇気を持って前に出たという。
「後半はより勇気を持って相手のラインを崩した。ボール回しを速くし、プレーメーカーをより高い位置に押し上げた」
「ローマの選手に時間とスペースを与えれば、空いた場所を見つけてFWを使うのが非常にうまい。後半はギアを一段上げ、ボールを奪うためのスプリントも増えた。本当に良い45分だった」
また、この試合ではアレッサンドロ・バストーニにとっても特別な瞬間があった。
後半途中で交代した際、サン・シーロの観客からスタンディングオベーションが送られたのだ。
バストーニはイタリア代表のワールドカップ・プレーオフ敗退となったボスニア・ヘルツェゴビナ戦で退場処分を受け、大きな批判にさらされていた。さらに、以前にはユベントス戦でピエール・カルルの退場につながるプレーでもメディアから強い非難を受けており、精神面が懸念されていた。
バルセロナ移籍を望み、イタリアを離れたい意向があるとの報道も出る中、この日の温かい拍手は大きな支えとなったはずだ。
キヴ監督は、イタリアサッカー界全体が抱える問題についても言及した。
「すべてを解決する魔法の杖を持っているわけではない。ただ言えるのは、フットボールで起こることに対して、我々全員に責任があるということだ」
「それは監督、選手、ジャーナリスト、そしてSNSも含まれる。批判やネガティブな話題の方が注目を集めやすいからだ」
さらに、育成年代で目にした現状にも危機感を示した。
「私は幸運にも数年間アカデミーで仕事をしたが、そこで目を疑うようなことも見てきた」
「我々全員に責任がある。だからこそ、この素晴らしいスポーツへの向き合い方を変えなければならない」
「子どもたちが愛し、ファンがチームを応援するフットボールであるべきで、相手に悪意を向け、侮辱を浴びせるようなものであってはならない」
ローマ相手の快勝は、インテルにとって単なる勝利以上の意味を持つ一戦となった。チームの再出発とともに、バストーニを包んだサン・シーロの拍手は、イタリアサッカーが本来持つべき温かさを象徴する夜でもあった。



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