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“テオ・エルナンデスが残っていれば…”という空気
マッシミリアーノ・アッレグリ率いる新生ミランにおいて、今もなお囁かれるのが「テオ・エルナンデスがこのチームにいたらどうだったか」という声だ。
リヴォルノ出身の指揮官によって多くの選手が復調を遂げる中、テオが残っていれば、同じように蘇った可能性もあったのではないかという意見が根強く残る。
実際、トモリやパヴロヴィッチはシーズン序盤から安定したパフォーマンスを見せ、フォファナやロフタス=チークも本来の姿を取り戻した。であれば、昨季不調に終わりクラブを去ったテオにも、同じような“再生”の可能性があったのではないか――そう考えるのも不思議ではない。
しかし、その問いには明確な限界がある。戦術的な要因で復活した他の選手たちと違い、テオにはピッチ内外での姿勢やメンタリティに関する問題が指摘されていた。そうした要素が変わらない限り、どんな優れた指導者であっても同じ結果を得ることは難しかっただろう。
「過去を惜しむ」よりも今を見るべき時
テオへの未練は、サポーターの“典型的な病”でもある。すなわち、過去を懐かしみ、現在のチームを正当に評価できなくなる“ヴェドヴィズモ(未練症候群)”だ。
テオ・エルナンデスが2019年に加入してから続いたサイクルは、すでに自然な形で終焉を迎えていたと言える。もし彼が本当にトップレベルでの新たな挑戦を望んでいたなら、28歳という年齢でサウジアラビア行きを選ぶことはなかったはずだ。
契約は2026年まで残っており、ミランからの移籍金も比較的抑えられた水準で済む状況だった。それでも欧州のビッグクラブから具体的なオファーがなかった事実は、テオ自身の現状を示している。



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