【コラム】揺れるキャプテンの去就──メニャンは800万ユーロに値するのか

ミラン

しかし、メニャンがこのチームにもたらしている価値を考えれば、その要求額が法外であると一概に断じることもできない。今季のメニャンは、改めて自身がトップレベルのGKであることを証明している。反応速度、シュートストップ能力、ハイボールの処理、ビルドアップ時の落ち着き――そのどれもがミランに与える安心感は計り知れない。

特に象徴的だったのが、ミラノダービーでのPKストップだろう。あの瞬間、インテルの攻勢を受け、苦しい時間帯にあったミランにおいて、メニャンはまさに絶対的守護神としてチームを救った。チャルハノールが放った強烈な一撃を読み切り、右手一本で弾き返したあのプレーは、試合の流れを引き戻しただけでなく、スタジアムにいたミランファンの心を強烈に震わせた。あれは単なるセーブではなく、チームの意志を象徴するような、大舞台の勝負を分ける一手だった。

メニャンの存在価値は、プレーだけに留まらない。今季からキャプテンを務める彼は、ピッチ内外でリーダーとして君臨している。センターラインの後方に立つキャプテンというのはチームに安定をもたらす。守備陣への指示はもちろん、ゲームのテンポや集中力の維持、危険予知とコーチングを通じて周囲を動かす力が格段に増した。時には若い選手に鋭く声を掛け、また時にはチーム全体を鼓舞する。GKという守備の最後の砦がチームの精神的支柱となることで、ミランの骨格は一層強固なものになっている。

だからこそ、ファンの間では「絶対に残すべきだ」という声が大きい。ミランは再び欧州の舞台で存在感を示しつつあるが、その歩みを確かなものにするには、メニャンのような世界的GKを手放すリスクはあまりにも大きい。ミランの近年の成功、さらには今季の好調を支えているのは、攻撃陣のタレントだけではなく、メニャンが長期にわたって築き上げてきた守備面での土台に他ならない。

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