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攻撃陣にタレント揃うも、トゥドルは最適解を見出せず
イゴール・トゥドル率いるユベントスは、いまだ形を模索する“未完成のチーム”だ。最大の課題は攻撃陣。選手層こそ厚いが、タイプが噛み合わず、指揮官はシステム選択に頭を悩ませている。
攻撃の軸となるのはドゥシャン・ヴラホヴィッチ。フィジカルと決定力に優れた唯一無二のストライカーだが、契約満了が2026年6月に迫っており、将来は不透明。クラブは冬の移籍市場での売却か、シーズン終了後の判断を迫られており、本人は契約延長に前向きではない。ピッチ内外で微妙な立場に立たされている。
3-4-2-1の限界、3-5-2への変更も視野に
トゥドルは当初、3-4-2-1をベースにヴラホヴィッチ、ジョナサン・デイヴィッド、ロイス・オペンダをローテーション起用する方針を示していた。しかし実際には噛み合いに難がある。ヴラホヴィッチは純粋なセンターフォワードだが、デイヴィッドとオペンダは裏を狙う動き出し型で、ポストプレーを担うタイプではない。そのため、チーム全体のバランスが崩れ、攻撃が単調になる場面も目立っている。
そこで指揮官が検討しているのが3-5-2。ヴラホヴィッチに動きのあるタイプを並べることで前線の連携を強化する狙いだ。しかしこの変更は別の問題を生む。ケナン・ユルディスやフランシスコ・コンセイソンといったトップ下タイプの選手が居場所を失う可能性があるのだ。両者は創造性とアクセントをもたらす存在であり、特にユルディスはチームの未来を担う逸材として新契約の話も進む。彼を外すのは現実的ではない。
3-4-3の可能性とチーム構成の歪み
別案として浮上するのが3-4-3(または4-3-3)。ヴラホヴィッチを中央に据え、左にユルディス、右にデイヴィッドまたはコンセイソンを置く形だ。しかしユルディスは中央寄りのポジションでこそ真価を発揮するタイプで、ウイング起用では持ち味が半減する。さらに右ではエドン・ジェグロヴァも控えており、序列争いは混迷を極める。
結局のところ、ユベントスの攻撃陣は多様な選手を抱えながらも、システムごとに適性がバラバラという“ちぐはぐな構成”となっている。誰を軸に据え、どの形で最大限の力を引き出すのか――その答えを見つけるのはトゥドルの責務だ。
この難題を解決できなければ、ユベントスの今季の行方、そしてトゥドル自身の未来にも暗雲が立ち込める。求められるのは結果だけ。勝利を伴わない再構築に、時間の猶予はない。



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