Sempre Milan
ミランが描く長期プロジェクトの全貌
ミランはついに主要ポストの人選を固め、クラブの未来を見据えた新たなプロジェクトをスタートさせようとしている。
ここ数週間、クラブは複数の候補者を検討していると報じられてきたが、最終的に監督候補として浮上したルベン・アモリムや、フットボール部門責任者候補のマルクス・クレシェの名前が本格的に報じられたのはごく最近のことだった。
しかし、これは「残った候補の中から選んだ妥協案」ではない。むしろミラン首脳陣は以前から彼らを高く評価しており、オリバー・グラスナーやラルフ・ラングニックへの注目が大きかったことで、表面化していなかっただけだという。
アモリムはフリーで招へいできるが、クレシェとティモ・ハルドゥングの獲得には総額1000万ユーロ前後が必要とみられており、ミランが本気でプロジェクトに投資していることがうかがえる。
この決定にはジェリー・カルディナーレ、ズラタン・イブラヒモビッチ、マッシモ・カルヴェッリ、さらに外部のヘッドハンターら複数の関係者が関与したとされる。
アモリム招聘に込められた期待
アモリムはマンチェスター・ユナイテッドでの失敗によって評価を落とした。
ただし、ポルトガル時代には欧州屈指の有望監督として注目を集めており、多くのビッグクラブが獲得を狙っていた人物でもある。
ユナイテッドではクラブの再建途上で指揮を執り、長期計画が十分に整わないまま結果のみを求められた側面もあった。
もちろん責任がなかったわけではないが、クラブが彼の哲学やシステムを完全に支援していたかについては疑問が残る。
ミランでは従来の監督以上の権限が与えられる見込みで、新スポーツディレクターやフットボール部門責任者と密接に連携しながら、自らの戦術に適した選手補強を進めていくとみられている。
さらに注目すべきは、クレシェ自身がグラスナーとアモリムの二択の中でアモリムを支持したことだ。
グラスナーとは過去に仕事をした経験がありながら、それでもアモリムを選んだという事実は大きな意味を持つ。
フランクフルト黄金コンビへの信頼
クレシェの名前は昨夏にもミランと結び付けられていた。
当時はクラブが「イタリア化」を進めようとしていたことや、本人がフランクフルトでの仕事継続を望んだことで実現しなかったが、今回は状況が異なる。
現在は合意に達したとみられ、フランクフルトと契約解除条件について協議が進められている。
クレシェは現在フランクフルトでフットボールCEOを務めており、ミランでもほぼ同様の役割を担う見込みだ。
長期的なプロジェクト構築能力に定評があり、クラブ全体のサッカー部門を統括する存在になると期待されている。
また、ハルドゥングもクレシェが強く希望した人材であり、長年コンビを組んできた両者が再びタッグを組む可能性が高い。
意思疎通が円滑で、迅速な意思決定が可能になる点も大きなメリットだ。
利益と競争力を両立した手腕
ミランは近年、キャピタルゲインを重視する方針を強めている。
ファンにとっては不安材料にも映るが、クレシェとハルドゥングはまさにその分野のスペシャリストだ。
彼らは過去3年間で総額1億4000万ユーロもの利益を生み出しながら、フランクフルトを競争力あるクラブとして維持してきた。
重要なのは単純な売却益ではなく、「適切なタイミングで買い、適切なタイミングで売る」能力にある。
カルディナーレ会長が語ったように、セリエAで成功するには最も賢く資金を使う必要がある。
クレシェとハルドゥングはまさにその理念を体現する存在と言えるだろう。



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