ゆっくりとした足取りでピッチを後にしたロカテッリは、不満を隠さぬ表情のままテクニカルエリア付近でスパレッティと視線を交錯させる。テレビカメラは、身振りを交えながら交代の理由を求める姿をはっきりと捉えており、本人がまだチームに貢献できるという強い自負と、試合の緊張感が交錯した瞬間だった。
しかし、スパレッティの対応は極めて冷静かつ断固としたものだった。試合の行方に集中する指揮官は、簡潔な手振りでロカテッリにベンチへ向かうよう促し、公の場での議論を即座に封じ込めた。権威を揺るがしかねない火種を、その場で断ち切った形だ。
結果として、ロカテッリは首を振りながらベンチに腰を下ろし、落胆の色を隠せなかった。このやり取りは、今夜の一戦に懸かる重圧の大きさを象徴する場面でもある。重要局面での判断と統率において、スパレッティのマネジメントは一切の例外を許さない――たとえ信頼厚い中軸の選手であっても、その姿勢は揺るがなかった。



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