アッレグリとコーチングスタッフは、エンクンクの成長を細かく見守ってきた。本人も先日のインタビューで変化を語っている。
「夏のプレシーズンを丸ごと逃したのが最初は難しかった」「最近は数試合連続で先発できているのが大きい」「笑顔で前向きにいれば、すべてが変わる」
軽やかさは無責任さとは違う。選手心理に目を配る指揮官として知られるアッレグリのマネジメントが、エンクンク復調の背景にある。メニャンやサーレマーケルスらも同様に信頼を受けてきた。
それでも、チャンピオンズリーグ復帰が至上命題のミランにとって、辛抱強く待つ余裕は限られている。2025年夏の移籍市場で最も高額な補強だったエンクンクに向けられる視線は厳しかった。
シーズン序盤、サンティアゴ・ヒメネスが優先起用された理由に戸惑いもあったという。しかし実情はシンプルだった。フランス人FWはコンディションが整っていなかった。負傷からの完全復帰が転機となった。
冬には放出候補と見なされる局面もあった。適切なオファーが届いていれば退団もあり得た状況だ。それでも本人は「退団は考えなかった。ここで準備を整え、結果を出したかった」と語る。
直近6試合で5得点(ピサ戦前まで)。これはプレミアリーグとセリエAでの過去46試合分と同じ数字だ。ゴール、安定感、そして自信。チーム事情も追い風となっている。ヒメネスの離脱、レオンの恥骨痛、プリシッチの慢性的な筋肉トラブル、フュルクルクの負傷と、前線は万全ではない。
だが好条件だけが理由ではない。年末以降、エンクンクは“5つの風船”を膨らませてきた。今夜もその数を増やす準備は整っている。



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