闘病を越えて聖火を手に バレージが語った“人生で最も強い感情”

ミラン

この機会はどのようにして訪れたのか。

「1カ月半ほど前、CONI会長のルチアーノ・ブオンフィリオから電話をもらった。参加できるかと聞かれたんだ。正直、少し驚いて『本当に? 万全な状態とは言えないけれど』と答えた。祖国を代表して五輪に関わる機会なんて、唯一無二だからね」

ジュゼッペ・ベルゴミと一緒に歩くと知ったのはいつか。

「1週間前に知らされた。それまでは、どの区間を歩くのかさえ分からなかったし、誰かと一緒かどうかも知らなかった。でもベッペはライバルではない。素晴らしい友人だ」

長年ホームとしてきたスタジアムでの経験だった。

「ここでできたことが、さらに特別な意味を持たせた。サン・シーロは何十年も自分の家だった。ピッチに出て、満員のスタジアムを目にした瞬間の鼓動は言葉にできない。ボチェッリの歌声がすべてをより魔法のようにしてくれた。短い距離だったが、強烈な体験だった。キャリアで味わったことのない高揚感だった」

「五輪の聖火を運ぶということは、平和や調和というメッセージを伝えること。今、私たちが最も必要としている価値だ。ほんの数メートルでも、世界中の視線を感じながら、自分がフェアプレーや調和といった健全な価値の旗手になっていると実感した。スポーツ人生でも屈指の感情だった」

最近は困難な闘いも経験した。

「そうした瞬間、人は多くのことに気づく。何かが起きるまでは、自分は不死身だと思ってしまうものだ。あの時、真っ先に家族のことが頭に浮かんだ。多くの愛情に包まれた」

「その温かさが、最も苦しい時期を乗り越える助けになった。ミランには感謝したい。最初の日から最高の環境を用意してくれた。最悪の時期は過ぎ、少しずつ日常を取り戻している」

「たくさん歩き、時にはオフィスにも顔を出す。これから徐々に存在感を取り戻していきたい。学んだこと? まず、自分の地平線は限られているということ。1日1日を大切にしなければならない。人生は何も与えてくれなかった。常に闘ってきたし、これからも闘い続ける」

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